日記・コラム・つぶやき

フィギュアスケートとピアノ曲

羽生選手、本当に素晴らしかったですね。

ショートプログラムで使われたショパン作曲「バラード1番」、この曲にどれだけの思いをこめて羽生選手はリンクに立ったことでしょう・・
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ショパンの作品といえば、ワルツ、ノクターン、マズルカなどの小品をはじめ、今回羽生選手が使ったバラード、他スケルツォ、エチュードなど、ピアノを習ったら、一度は弾いてみたいと思う曲がたくさんありますね。
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「バラード1番」はショパンが25歳の時の作品です。
この曲は最初から最後まで、通して演奏すると本来は10分程度かかる曲ですが、ショートプログラムは2分50秒、なので、曲としてはかなりカットされた使い方になります。
ですが、ドラマ、映画のストーリーにいくつもの場面があり、劇的な展開がされていくのと同じように、まさにそのように作られているのが特徴のバラードですから、この曲のいくつかの場面を好みで選ぶことができたのかなと思います。
羽生選手が使ったのは、まずは冒頭の印象的な語りのような入り。直接ドラマの本題に入らない、これから何が起こるのか、思わせぶりな、この女性的な入りはショパンならではと思います。これから始まる物語に観客を引き込む、演奏者の思い入れが要求されるところです。
羽生選手もぐっと引き込みましたね・・
そのあと、愁いのある第1テーマ~高まる前半の終わり、そして強い気持ちで前進しようとする2分の2拍子の最後の華やかなフィナーレ部分が使われていました。
この2場面はいずれも短調。この2場面の間に、この曲は長調の美しい場面もありますが、使われたのは短調の場面。短調の思い悩みながらも前進しようとするドラマティックな表情は羽生選手の不屈の精神と重なって見えました。
それにしても素晴らしかったですね。^^

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久々のゆっくり音楽鑑賞

お盆休み、、遠方に出かけられる方も多いのでしょうか。。

私は、戴いた、いい香りの中国茶を入れて、録画していた音楽番組をオンにして過ごしました。
 
エサペッカ・サロネン指揮 フィルハーモニア管弦楽団 チョ・ソンジン ピアノ 
「ベートーヴェン ピアノコンチェルト 第3番」
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うん?オーケストラがやわらかい・・
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今日はフランクに聴き流そう、と思ってたけど、どんどん引き込まれて、聴き流せなくなってしまった・・
そしてオーケストラが創ったやわらかな風景にピアノが登場。
ベートーヴェン、曲の整った構成が通常、明確に先に耳に入ってくると思うのですが、それよりも前に、流れるようにとにかく音楽に引き込まれる。
2015年ショパンコンクールの優勝者 初めて聴いた、チョ・ソンジンの演奏。綺麗な一粒一粒の音、明確な和音進行、確かにベートーヴェンなのだけど、ロマンチックであり、近代音楽のようにも聞こえたり、やわらかい、音の曲線がどんどんやってくる。ゆったり聞こえる、楽しく聞こえる。
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今読んでいる、村上春樹の著書(主人公が絵を書き写す際の文ですが)の一節に
「自分なりに画面を解釈し、翻訳することが必要とされるし、そのためには原画の中の意図をまず把握しなくてはならない。画家の視点を、あるいは人間のあり方を理解しなくてはならない。彼の履いてる靴に自分の足を入れてみる必要がある。」
とういうところがあって、この比喩はクラッシック音楽の演奏家も同じであると思うので、この一節を使わせていただいて、
これが奥深いことは間違いないのに、なんて柔軟な演奏なのだろう。。とクラッシック音楽の、もっと未来を考えられる、そんな気持ちになりました。
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久々、ゆっくり、今日はお庭の草取りもできたし、好い時間が過ごせたかも。。

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コンペイトウ♪

ポルトガルを旅行された大人の生徒さんが、お土産にくださった「コンペイトウ」(Confeito)。

金平糖のもとになったお菓子。めずらしいのでアップさせていただきました。^^

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ポルトガル、遠い国ですが、中学校の日本史にも登場する異国なので、なんとなく国名は親しみもあるような。。
ちょっと調べてみたところ、金平糖は1569年、ルイス・フロイスが織田信長に献上したのが日本に持ち込まれた最初だそう。
その時、好奇心旺盛な信長は西洋音楽にもふれたらしい。
信長はどんな西洋音楽にふれたのだろう。。
1500年代といえば、ルネサンス音楽。
当時の鍵盤楽器といえば、ピアノの先祖と言われる、バージナル、チェンバロなど。
金平糖の可愛くて、綺麗な色を見ていると、現在のピアノとは違った貴族のために華やかに装飾された、きらびやかな古楽器を想像してしまいますが。。

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スタインウエイサロンにて

馬車道にある「スタインウエイサロン」に来ています。

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ニューヨーク製スタインウエイをじっくり試弾しました。
こうタッチしたらこう鳴る、その反応の正確さはさすが。格調の高い、品の良い硬さ、個々の音が明確な形を成しているかのような響き、心地よかった。、^^

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葡萄、ワイン、そしてシューマンも・・

先日のお休みは勝沼にて葡萄狩りにワイナリー。

お天気も良いし、ぶどうも甘くておいしい。、写真は瀬戸ジャイアンツ(桃太郎)という品種だそうです。

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朝日園で

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ぶどうの丘ワインカーヴにて

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シューマンもワイン飲んで気分転換してたかな・・、

今、シューマン作曲「ソナタ嬰へ短調」を指導しながら、あらためて感じることも多くあり、このブログを書いています。。 

シューマンの幾層にもなる音楽、学生の頃は譜面を乗りこなすことがただ難しかった。

それが、演奏から離れて、聴く側に身を置くと、こんなに情緒豊かな音楽だったか・・、と、思うところが深いです。

書籍家で勤勉な父の影響から文学に関心の高かったシューマン。残された言葉や詩文に独特な芸術哲学がうかがわれ、興味深いです

シューマンが17歳で書いた詩の一部です。

「詩の韻律の器を優しくそよ風の拍子が揺らすとき、

音と音、言葉と言葉が競い

音は感じ、詩句は息づき

ついに優しく一つのハーモニーで

二つの芸術が誠実に愛に満ちて抱き合う」

17歳、この後多くの楽曲を発表したシューマンのまさに、理想に満ちた詩ですね。

そよ風の拍子が揺らす、という表現。なるほど・・。シューマンの拍子は他の作曲家にはないものを感じ、どうとらえようかと、思考していたので、参考になります。

この文学的要素にプラスして、シューベルト、ショパン、ベートーヴェン、バッハの影響を受けたと思われる音楽的要素。その上に、さらに新しい音楽を追求しようとした力。

う~ん多彩な作曲家です。

シューマン最期の言葉、クララが用意したワインに口をつけ、発した、「わかってる・・」は何を指すのか、いろいろ解釈があるようですが、

どこまでもロマンな人だったのですね。

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春のコラム

通り道で満開の桃の花。。おもわずシャッターを押しました。、春になりましたね。、

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昨日の新聞の文化面に、小澤征爾さんが、音楽を教える立場から、、音楽にとって、とても大事なことをお話されていて目にとまりました。一部ご紹介します。

「みんなで響きをつくる快感を若い時に一度でも味わうとね、一生音楽にとりつかれちゃうんです。社会人になってからもアマチュアのコーラスに熱中している人、いっぱいいるでしょ。美しいハーモニーの中に自分の声がとけこんでいる。そう実感することに、人生の本質のようなものがあると僕は思う。もし音楽家にならなくても、その子のその後の人生に音楽が何かすてきなものを残してほしい。僕はそう願う。」

小澤征爾さんだからこそ語れる言葉に共感、なっとく、。です。^^

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夏の終わりに・・

「しばらくその遠くなる足音に耳を傾ける。やがてその音が消えると、波の音が聞こえてきた。ずっと通奏低音のように流れていたはずの波の音が・・・」今年の芥川賞受賞作「冥土めぐり」一文より。

「冥土めぐり」随所に海の様々な様子、景色に心の動きを投影させた表現がありました。通奏低音とは、カジュアルに言えば主に、中世、バロック音楽で見られる低音、音楽の土台になる低い音域を流れる音のこと、。現在でこそメロディー(高音部)の下に伴奏、アレンジを入れて音楽が創られることが一般的ですが、音楽という形を成し始めた中世では日本で言うお経のような、宗教的な声がやがてはメロディーに発達、、それが低音部に流れ、その上に音をのせて、だんだん音楽らしきものになっていったようです。

そんな感じの低い音の流れ、。作家はバロックの通奏低音というより、中世の低音を思い、波の音と重ね合わせたように思いますが・・。

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写真は「伊豆今井浜の朝」。皆さんもたくさん夏の海を見て来られたことと思います。。^^

先日鑑賞したブリヂストン美術館のドビュッシー展でも印象派、象徴派の描いた様々な海景が展示されていました。海は様々な表現を投影できる万物なのですね。

ドビュッシーの作品の中にも交響曲「海」を始めとして、いくつかの海を描写している作品があります。葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」をドビュッシーが部屋に飾り、スコアの表紙にしたことは有名な話ですが、ドビュッシーが行ったことのない東洋の海をどんな風に想像して思いをはせて曲にしたのか・・考えれば、深いものです。。

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時は流れて・・

今朝の天声人語より・・・「音楽という芸術の深淵にはなかなか触れにくい。だが、吉田秀和さんは、音楽の奥庭に咲く花を素人にも手渡してくれた。ご本人のめざした想像力の引き出しになる批評に魅せられた人は少なくない。享年98。閉じた目に何を見て旅立たれただろう。」

つい先日、小澤征爾氏が病気を抱えながらも情熱的にコンサートに取り組む姿を追ったドキュメンタリー番組の中で、やむなく、体調不良により、当日コンサートをキャンセル、客席が荒れた場面、会場に訪れていた吉田氏の心温まる言葉で、小澤氏不在のコンサートが無事開演したシーンがありました。それを見たばかりでしたので・・

数々の言葉を残した吉田氏。私が学生でまだ勉強していた頃は難しくて手にしては途中で読むのをやめてしまっていた本も、今では心にすうっと入るものが多くなりました。時は流れる、、けれど、大切に読みかえしたいと思いました。

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ちょっと小耳に・・♪

カステラや金平糖など和の空気をまとう渡来品は多い。日本の歌と思いきや、童謡「ちょうちょう」はスペイン民謡、「むすんでひらいて」の作曲者はフランスの思想家ルソー、「こぎつねこんこん」はドイツ民謡。

「あおげば尊し」の原曲は19世紀アメリカで作られた「卒業の歌」。この歌に明治時代、文部省が合議して歌詞をつけたらしい・・・明治時代か・・、、穏やかでおごそかな、なかなか美しい曲調だと思いますが、さすがに時代おくれの歌詞、となるのでしょうね・・。それで最近は歌われなくなったのですね。(^-^;

(天声人語参照)

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