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夏の終わりに・・

「しばらくその遠くなる足音に耳を傾ける。やがてその音が消えると、波の音が聞こえてきた。ずっと通奏低音のように流れていたはずの波の音が・・・」今年の芥川賞受賞作「冥土めぐり」一文より。

「冥土めぐり」随所に海の様々な様子、景色に心の動きを投影させた表現がありました。通奏低音とは、カジュアルに言えば主に、中世、バロック音楽で見られる低音、音楽の土台になる低い音域を流れる音のこと、。現在でこそメロディー(高音部)の下に伴奏、アレンジを入れて音楽が創られることが一般的ですが、音楽という形を成し始めた中世では日本で言うお経のような、宗教的な声がやがてはメロディーに発達、、それが低音部に流れ、その上に音をのせて、だんだん音楽らしきものになっていったようです。

そんな感じの低い音の流れ、。作家はバロックの通奏低音というより、中世の低音を思い、波の音と重ね合わせたように思いますが・・。

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写真は「伊豆今井浜の朝」。皆さんもたくさん夏の海を見て来られたことと思います。。^^

先日鑑賞したブリヂストン美術館のドビュッシー展でも印象派、象徴派の描いた様々な海景が展示されていました。海は様々な表現を投影できる万物なのですね。

ドビュッシーの作品の中にも交響曲「海」を始めとして、いくつかの海を描写している作品があります。葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」をドビュッシーが部屋に飾り、スコアの表紙にしたことは有名な話ですが、ドビュッシーが行ったことのない東洋の海をどんな風に想像して思いをはせて曲にしたのか・・考えれば、深いものです。。

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